エガオノダイカ9話 感想と考察 クラルス
「前に、お進みください。あなたの背中は、私がお守りします。」
今回も容赦ない展開でしたが、新型クラルスのオーバーヒートによる戦争終結への希望も見えてくる回になりました。
ざっくりとあらすじ
ハロルドと評議会は、イザナが決死で持ち出したクラルス使用による環境悪化の情報を手にいれてもなお、新型クラルスの増産をすることを決定しました。
ユウキはその判断に戸惑いますが、レイラは、評議会は皇国より報告を受けていたが、国王に報告せず握りつぶしたのだろうと推測します。帝国も隠蔽し皇国は滅ぼされ、生き残りがテロを起こし、結果王国国王夫妻や大勢の人がなくなったのです。
その後、王国軍は新型クラルス増産によりかろうじて帝国に対抗していました。両国の戦死者は30万人を越えます。
そんななか、皇国の研究結果を分析していたレイラがある重要な発見をします。
それは、この星の大気に含まれる微細な人工構造体、太古のナノマシンでした。このナノマシンは昔移民してきた祖先が、この星を生存可能にするために散布したものでした。自己増殖したナノマシンは大気に溶け込み、成分の一部となり、この星を生存可能にしていたのです。
しかし、移民から世代を経るうちにその知識とテクノロジーは失われ想定外の事態が起きます。
この星独自の鉱物、クラルスラピスの発見です。無尽蔵のクリーンエネルギーを生み出す画期的な鉱物と言われていたクラルスですが、実はクラルスはナノマシンと共鳴することで、エネルギーを産み出していたのです。つまり、クラルスがナノマシンを消費しているということでした。
クラルスを使い続ければナノマシンはどんどん減っていき、この星の環境は悪化する。皇国はそれに気づいていたのです。
さらに、レイラは新型クラルスに限界値を越える負荷を掛け続けた結果、施設全体が動きを停めました。
ナノマシンとの共鳴がシャットダウン。つまり、クラルスからナノマシンのエネルギーを取り出せなくなったのです。
この技術を兵器として流用すれば、この戦争は王国の絶対的な勝利となるでしょう。
しかし、シャットダウンは施設全域に及び、クラルスとナノマシンの共鳴が戻るまでの間夜営をすることになりました。
夜営中、ユウキはこんなことを言いました。
「こんなふうに、もし、みんなで仲良く暮らせたら、戦争なんて…」
ハロルドはそんなものは夢物語だと一蹴します。
しかし、「クラルスがなければ、イザナも妻も死ぬことは無かったのかもしれない。」とも考えます。
「奪い奪われ、その繰り返しだけか。結局、俺に出来ることは…」
明朝、クラルスが再起動し、その日の夕暮れ。ついに帝国軍が防衛線を突破、接触は時間の問題です。
そこで、新型砲台の積み込みが終わり次第、周都エディネルへ逃げることに。
ハロルドと一部の騎士団が殿を務め、退路を作る作戦に出ました。
涙を堪えるユウキにハロルドは
「なんて顔をしているのです。あなたはもっと強くあらねば。」
「でも‥」
「これ位で立ち止まってはいる場合ではありません。帝国も、そろそろ持久戦を続けるのも限界。決着を急いでくるでしょう。ユウキ様、あなたの意にそぐわぬ行いの数々、お詫びいたします。ただ、王国を守るため、私にはこうするより他の手だてがありませんでした。ユウキ様、本当に国を、民のことを思うなら、どんなに辛く苦しい選択だったとしても決断をしなければならないときがございます。皆を導くものとして、立ち止まってはいけません。」
「前に、お進みください。あなたの背中は、私がお守りします。」
こうして、ハロルドは帝国兵と激闘の末に、ユウキと国民の退路を守ったのでした。
「立ち止まっている暇はありません。進路を周都エディネルに!」
しっかりと考察
帝国はクラルスのシャットダウンを利用した兵器を持っていないのか。
レイラは、帝国にはクラルスのシャットダウンはを利用できる技術はないと言っていましたが、本当でしょうか?
帝国は皇国の研究結果を王国より遥か前に知ってました。ということは、クラルスのシャットダウンのことも当然王国より先に知っていたはずです。少なくとも10年は先に。
軍事国家である帝国がそんな軍事技術を放っておくはずがありません。
恐らく、実用段階までは行ってなくとも、試作品はできているのではないでしょうか。
あの時のユウキの言葉はフラグ?
「こんなふうに、もし、みんなで仲良く暮らせたら、戦争なんて…」
クラルスが機能しなくなり、焚き火をしながらユウキが呟いた言葉です。
この言葉は恐らく最終回の暗喩でしょうか。
またハロルドも、「クラルスがなければ、イザナも妻も死ぬことは無かったのかもしれない。」と発言しています。
最終回では、王国もしくは帝国がクラルスを強制的にシャットダウンして、世界からクラルスが無くなり、人類は新たな一歩を踏み出すという展開を希望します。
レイラは元帝国側の人間で、ステラの母親?
4話における12年前のテロ事件の回想で、瓦礫の下の血とアクアドームを見たレイラは「ステ…」とつぶやいていますね。やはりステラはレイラの娘なのでしょう。
また、9話Aパートでユウキにレイラの過去が打ち明けられた際、「そしてレイラさんは、すべてを話してくれました。私の両親と同じ事件に巻き込まれ、すべてを無くしたこと。帝国には戻る気にはなれず、イザナの計らいで新たな人生を送る身となったこと」ということが語られています。
エガオノダイカ9話感想と考察の終わりに
そろそろハロルドとの決裂展開あるのかと思ったらハロルドがこの世から決別してしまった・・・。
一応今後の展開予想は書きましたが、正直後3話でここからどう風呂敷を畳むのか全く予想できないですね。
次回こそはステラサイドでしょう。